MiSTer FPGA向けに開発されているアーケードゲーム『Night Slashers』コアがv1.8へアップデートされました。2026年9月1日にMiSTer-develの公式リポジトリへマージされ、あわせて日付入りのRBF「NightSlashers_20260901.rbf」もリポジトリ内の「releases」フォルダで公開されています。
●MiSTer-devel「Arcade-NightSlashers_MiSTer」公式リポジトリ
https://github.com/MiSTer-devel/Arcade-NightSlashers_MiSTer
『Night Slashers』は、Data Eastが1994年にリリースした横スクロールタイプのアクションゲームです。MiSTer向けコア自体は2026年7月から公開されていましたが、今回のv1.8では単なる不具合修正にとどまらず、映像再現やセーブステート、サウンド、FPGA内部のタイミングなど、幅広い部分に手が加えられています。

ステージ3の青い背景やスプライト表示の不具合を修正
映像関連では、これまで確認されていた複数の問題が修正されています。そのひとつが、ステージ3の夜から朝へ切り替わる場面で、背景が一時的に青一色になってしまう問題です。
原因はパレットの読み戻し処理にあり、バッファリングされたパレットから古いDMAデータを読み出していたため、本来の風景の代わりに単一色が書き込まれていたとのこと。v1.8ではCPUが正しいパレットデータを読み戻せるように変更されています。
また、混雑した場面などでスプライトが縦方向に引き伸ばされる問題や、一部のラインが繰り返して描画される問題にも修正が入りました。
最終ボス付近で発生していた別の描画不具合についても、スプライトRAMのコピー中にCPUからの書き込みが失われていたことが原因と判明し、書き込みを正しく通すように変更されています。

セーブステートが正式に有効化。最大16スロットに対応
v1.8の大きな追加要素となっているのがセーブステートです。これまでもセーブステート用の仕組み自体はコアに組み込まれていましたが、安定性の問題から無効化されていました。今回のアップデートで利用可能となり、最大16スロットに対応しています。
内部的には4つのステートファイルをそれぞれ4つのサブスロットに分割する仕組みで、OSDから1~16のスロットを選択できます。
未使用のスロットをロードした場合は処理を無視する仕組みも追加されており、以前のバージョンで作成された互換性のないステートファイルについても、そのまま読み込んで動作を壊さないよう対策されています。
US版で使用されるHuC6280サウンドCPUについても、CPUの状態だけではなく8KB RAMやバスラッチまで保存対象に追加。復帰時に古いマイクロコード状態から動作してしまわないよう、マイクロ命令レジスターも保存されます。

YM2151の状態復元やADPCMの4倍FIR補間にも対応
サウンド関連にも比較的大きな変更が加えられています。FM音源のYM2151では、レジスターの内容をブロックRAMへ保持し、セーブステートから復帰するときに内容をYM2151へ再度書き戻す処理が追加されました。
これによりセーブステート復帰後も、音色やノート、オクターブ、タイマーなどの状態を復元できるようになっています。
さらに、コア内で使用されるOKI ADPCMの4つのインスタンスには4倍FIR補間が追加されました。ADPCM再生時に生じる階段状の波形やエイリアシングの低減を狙ったものです。
オーディオミキサーのゲインレジスターも10ビットへ拡張され、OSD上から標準値を基準として音量を上下両方向に調整できるようになっています。
33のクロックドメインすべてでネガティブスラックを解消
FPGAコアとして重要なタイミング面にも大きな改善が行われています。MiSTerの「sys/」フレームワークは2026年8月26日時点のMiSTer-devel版へ更新。これにより、PLL再設定時にスケーラーのステートマシンが停止する問題への修正なども取り込まれています。
さらにREADMEでは、解析された33のクロックドメインすべてについてセットアップ/ホールドの値が正となり、Total Negative Slack(総ネガティブスラック)がゼロになったと説明されています。
単純に制約を緩めて問題を隠したわけではなく、SDRAMのコマンド経路やROMダウンロード時の復号経路そのものをRTL側で短縮してタイミングを改善したとのことです。
最終ボスを左端へ追い詰めたときの現象は引き続き確認中
一方で、v1.8にもひとつ確認が続けられている現象があります。最終ボスを画面左端付近でダウンさせた場合、ボスがその状態から抜け出せなくなり、攻撃もキャンセルされてしまうことがあるというものです。
開発側では処理をROM内部まで追跡しており、MAMEでも同じ状況を再現できることが確認されています。このことからゲームプログラムそのものに由来する可能性が考えられていますが、オリジナルのアーケード基板でも同じ現象が発生するかについては確認が取れていません。
そのため、現時点では「実機本来の仕様」と断定できる状態ではなく、引き続き確認事項として残されています。
日本版やUS版など4種類のMRAを用意
MiSTer-develのリポジトリでは、「NightSlashers_20260901.rbf」に加えて、韓国版、日本版、Over Sea版、US版用のMRAが用意されています。
今回公開されたものはGitHubの「Releases」機能によるタグ付きリリースではなく、リポジトリ内の「releases」フォルダへ追加されたRBFです。
コアそのものは以前から公開されていましたが、v1.8ではこれまで残されていた映像上の問題を多数解消し、16スロットのセーブステートやサウンド周りの改善、さらにFPGAのタイミング収束まで行われています。『Night Slashers』をMiSTerで遊んでいる人にとっては、更新内容の多いバージョンとなっています。















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