1997年に発売されたWindows版『電脳戦機バーチャロン』を、現行PCで遊びやすくする非公式パッチ「vo_patch」がGitHubで公開されています。
GitHubユーザーのpairomaniac氏が開発しているもので、現代のCPUでゲームを起動できるようにするだけではなく、60fps化やXInput対応、CD不要でのプレイなど多数の機能を搭載。さらに2026年8月22日に公開されたv0.11.0では、マッチコードを利用したインターネット対戦にも対応しました。
●vo_patch(GitHub)
https://github.com/pairomaniac/vo_patch
●vo_patch v0.12.1
https://github.com/pairomaniac/vo_patch/releases/tag/v0.12.1
●vo_patch v0.11.0(インターネット対戦対応)
https://github.com/pairomaniac/vo_patch/releases/tag/v0.11.0
約30年前のWindows版でインターネット対戦が可能に
『電脳戦機バーチャロン』は、1995年にアーケードで登場したセガの対戦アクションゲームです。ふたつのレバーを使用する専用コントローラー「ツインスティック」を採用しているのも特徴で、その後セガサターン版やWindows版などが発売されました。
今回の「vo_patch」が対象としているのは、1997年に登場したWindows版です。このWindows版にはネットワークを利用したふたり対戦用のリンクモードが用意されていましたが、オリジナルではLAN上のブロードキャストを利用して対戦相手を検索する仕組みになっています。そのため、通常はそのままインターネット越しに相手を探すことはできません。
そこでv0.11.0では、この通信部分を置き換える「Internet play」機能を追加。ホスト側がゲームを作成すると「EU-ABCDE」のような短いマッチコードが発行され、それを相手に伝えることでインターネット経由の対戦が行えるようになりました。
通常はポートフォワーディングやVPNも不要で、双方の環境で直接通信できない場合は、ホストが選択した地域のリレーサーバーを自動的に経由します。なお、インターネット対戦では両プレイヤーが「Internet play」を導入する必要があるほか、「Fix frame rate」と「Fix crash on round loss」の設定を一致させる必要があります。
60fps化やXInputにも対応
「vo_patch」はネット対戦機能だけではなく、古いWindowsゲームを現在の環境で動かすためのさまざまな修正もまとめて行えるパッチャーです。
たとえばオリジナル版にあるCPUチェックを解除し、現代のCPU環境でも起動できるようにするほか、Windows 2000以降でゲーム速度が低下する問題などを修正。ゲームを60fpsで動作させるための変更も行われます。
また、一部のバーチャロイドでラウンドに敗北したときにゲームがクラッシュする問題や、Alt+Tabなどで別のウィンドウに切り替えたあとにキーボード入力が効かなくなる問題なども修正されています。
コントローラーについてはXInputに対応しており、両プレイヤーで現在のゲームパッドが利用可能です。
通常のゲームパッド向け操作に加えて「Twin-stick (XInput)」という操作方法も用意されており、左右のアナログスティックをアーケード版のツインスティックのように使用することもできます。両方のスティックを同じ方向に倒すと移動し、逆方向へ倒すことで旋回するといった、オリジナルに近い操作が再現されています。
CDを入れずにBGM付きでプレイ可能
Windows版『電脳戦機バーチャロン』では、BGMにCD-DAが使用されています。そのためオリジナルの状態では、BGMを再生するためにもCDまたはCDイメージをマウントした仮想ドライブなどが必要になります。
「vo_patch」ではCDチェックを解除できるほか、CDのオーディオトラックをWAVファイルとしてゲームフォルダ内に保存して利用することが可能です。これにより、導入後はCDを入れたままにすることなくBGM付きでゲームを楽しめます。
サウンド面では、効果音の出力を22.05kHzから44.1kHzに変更する機能や、効果音が鳴るまでに発生していた遅延の削除、敵として登場したフェイ・イェンのハイパーモードで一部の音が鳴らない問題なども修正されています。
BIN/CUEからゲームを直接インストールする機能も追加
ネット対戦対応の翌日となる8月23日には、さらにv0.12.0が公開されました。こちらでは、Windows版『電脳戦機バーチャロン』のBIN/CUE形式のディスクイメージを「vo_patch」から直接読み込み、ゲームをインストールする機能が追加されています。
●vo_patch v0.12.0(ディスクイメージからのインストール対応)
https://github.com/pairomaniac/vo_patch/releases/tag/v0.12.0
そのため、Windows 95/98時代に作られたオリジナルのインストーラーを現在のWindows上で動かしたり、事前にディスクイメージを仮想ドライブへマウントしたりする必要がありません。
続いて同日に公開された最新版のv0.12.1では、この新しいインストール機能に関する不具合が修正されています。すでにv0.12.0でゲームへパッチを適用している場合は、改めてパッチを当て直す必要はないとのことです。
なお、「vo_patch」が対応しているのは特定のRetail disc版の実行ファイルで、USA OEM版は現時点ではパッチ対象外となっています。
ゲーム本体そのものが配布されているわけではないため、利用する場合は対応するオリジナル版のゲームデータを自身で用意する必要があります。
約30年前のWindowsゲームを単に現行PCで起動できるようにするだけではなく、60fpsや現在のゲームパッド、CDレス運用、さらにはインターネット対戦まで利用可能にしてしまう「vo_patch」。Windows版『電脳戦機バーチャロン』を所有している人にとっては、かなり興味深いプロジェクトといえそうです。















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