SuperStation Oneで動く“架空の32ビットゲーム機”!FPGAプラットフォーム「Jinix Jupiter」v0.1-alphaが公開

SuperStation Oneで動く“架空の32ビットゲーム機”!FPGAプラットフォーム「Jinix Jupiter」v0.1-alphaが公開

MiSTer互換FPGAハード向けに開発されている、独自ゲーム機プラットフォーム「Jinix Jupiter」。その初の一般公開版となる「v0.1-alpha」が、2026年8月16日にGitHubで公開されました。

●Jinix Jupiter v0.1-alpha(GitHub)
https://github.com/austinbland1/jinix_jupiter/releases/tag/v0.1-alpha

今回リリースされたのは、一般ユーザー向けの完成版ではなく、低レベルのHomebrew開発や実験、開発協力を目的とした「First Public Developer Preview」です。実際にFPGAへ書き込めるRBFファイルも配布されており、作者はSuperStation One上で起動と2D映像の出力を確認しています。

既存ゲーム機を再現するコアではない

「Jinix Jupiter」の大きな特徴は、実在するゲーム機をFPGA上に再現するコアではないことです。

本プロジェクトは、独自のCPUやメモリー構成、グラフィックス、サウンド、BIOSなどを備えた、新しい“架空のゲーム機”をFPGA上に作り上げる、いわゆる「ファンタジーコンソール」です。

現時点では、以下のような機能が実装されています。

  • 独自の32ビットCPU/命令セット
  • 外部SDRAMへの対応
  • 2Dグラフィックスレンダラー
  • DMAとCPU/GPU間のメモリー調停
  • 4ボイスのPCMサウンド
  • デジタルコントローラー入力
  • 最小限のBIOS
  • 専用アセンブラー
  • システムイメージ作成ツール

独自CPUには、32本の32ビット汎用レジスターを用意。現在の命令セットには、加減算や論理演算、ロード/ストア、条件分岐、ジャンプといった基本的な命令が実装されています。

2Dグラフィックスは、8×8ドットのタイルとRGB565形式のピクセルデータを使用し、外部SDRAM上のフレームバッファーへ描画する仕組みです。現在のシステムクロックは20MHzに設定されていますが、これは最大性能を示す数値ではなく、あくまでも現在の実装値とされています。

RBFをSuperStation Oneで実機テスト

今回のリリースにあわせて、作者はシミュレーションテストに加え、Quartus 17.0.2を使用したビルドと実機上でのスモークテストを実施しています。

配布されている「JinixJupiter_v0.1-alpha.rbf」をSuperStation Oneで起動し、HDMI経由で2D映像が表示されることを確認。Redditには、SuperStation Oneからの映像をHDMIキャプチャーしたスクリーンショットも掲載されています。

RBFファイルとソースコードは、GitHubのリリースページから入手可能です。

3D機能は実機では未対応

一方で、v0.1-alphaは完成したゲーム機ではなく、現時点では多数の制限が残されています。

固定機能型の3Dレンダラーも実装されていますが、こちらはシミュレーション上での検証に留まっています。実機ではHDMI/映像出力に関する問題が発生しているため、v0.1-alphaにおいて3D機能は正式対応とはされていません。

また、コントローラーについては十字キー入力などが実機で確認されているものの、すべてのフェイスボタンやアナログ入力、ボタンの割り当て変更までは検証されていません。

開発環境もまだ低レベルで、専用アセンブラーとシステムイメージ作成ツールは用意されている一方、一般的なC/C++コンパイラーや本格的なリンカー、デバッガー、グラフィカルな開発ツールなどは未搭載です。

さらに、Quartusによるタイミングチェックでは、制約が設定された項目については問題のない結果が得られたものの、セットアップ/ホールド時間の制約が完全には設定されていません。そのため、正式なタイミング検証が完了した状態ともされていません。

現時点では対応ゲームもなし

作者によると、現在はハードウェアの検証を優先しているため、「Jinix Jupiter」向けに作られたゲームはまだ存在していないとのこと。

そのため、RBFをSuperStation Oneに導入して、すぐにゲームを楽しめるというものではありません。現段階では、独自CPUやFPGAグラフィックスに興味がある開発者が、サンプルプログラムやHomebrew作品を作るための実験的なプラットフォームという位置付けです。

それでも、独自の32ビットCPUからグラフィックス、サウンド、開発ツールまでを備えたFPGAゲーム機が、実際にダウンロードして試せる段階まで到達したことは興味深いところです。

今後、開発環境の整備やHomebrew作品の登場によって、架空のゲーム機「Jinix Jupiter」がどのようなプラットフォームへ成長していくのか注目したいところです。

via.Reddit

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