ついに『Super Nt』をゲット! つよつよスーファミ互換機の実力を見せてもらおうじゃねぇか!!

ついに『Super Nt』をゲット! つよつよスーファミ互換機の実力を見せてもらおうじゃねぇか!!

Analogueのスーパーファミコン互換機『Super Nt』を、ようやく入手することができました。約1年前に、同じくAnalogueから発売されているメガドライブ互換機の『Mega Sg』を入手しましたが、実はそれよりも欲しかったのがこちらでした。しかし、待てど暮らせど一向に再販される様子はなく、1年が過ぎた頃にようやく再販のアナウンスがながれました。

だったのですが、これがなかなかのくせ者でした。今回の再販は、日本時間の2021年4月10日の0時から行われましたが、新たに変更されたというストアはカートまで入れることができてもその後長い順番待ち状態に。そのままの状態で20分が過ぎた頃、異変が起きます。なんと、購入ページに遷移するのではなく、再び住所入力のページに戻されてしまいました。念のため確認して、再度ページを進めると・・・・・・。

なんと在庫切れ状態に! さすがに今回は争奪遷移負けてしまったかと思いながらストアを見ていると、まだ黒モデルは残っていることが判明。そのままカートに入れて、スムーズに購入まで完了させることができました。

どうやら、海外版と日本版のスーファミカラーの2機種に人気が集中してしまっていたようですね。その後、発売再開からわずか45分ほどですべての機種が売り切れ状態になってしまいました。

ちなみに、今回はChromeを使って注文をしましたが、一説によるとSafariではスムーズに購入できたという話しもあります。信じるか信じないかは、あなた次第! ということで、ただの再販でしかない『Super Nt』でさえ、このようなひどい争奪戦になっていることを考えると、今後発売が予定されているPCエンジンのFPGA互換機『Duo』もかなりヤバそうです(笑)。

高級感溢れるパッケージ。コントローラーは別売り

実は発送に関してもなんやかんやありましたが、今回は省略してやっと届いた箱を開けてみると、何やらこれまでの同社の製品では見かけなかった黒い封筒が同梱されています。気になる中身ですが、『Super Nt』に内蔵されているゲーム『スーパータリカン』のパッケージであることがわかりました。

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この『スーパータリカン』は、ファクター5が1993年にスーパーファミコンで発売した横スクロールのアクションゲームです。日本でも1993年9月3日にリリースされていますが、開発時点では6メガビット用のタイトルとして作られていたものの、実際には4メガビットのROMで発売されることになったため、約33パーセントほどゲーム内容をカットして発売されることになりました。

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▲『スーパータリカン』のディレクターズカット版が収録。

本機には、それをオリジナルの形で遊べるようにしたものが収録されています。また、ボーナスとして、当時発売されたバージョンも『スーパータリカン2』として収録されています。

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パッケージはいつものように、高級感溢れるケースになっています。中に入っているのは、本体とHDMIケーブル、USBケーブルとアダプター、マニュアルのみ。コントローラーは含まれていないため、別途用意する必要があります。いろいろ準備したものの、今回は間に合わなかったのでとりあえずオリジナルのコントローラーをそのまま利用しています。

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本体上部にはカセットを差し込むためのスロットと電源ボタン、リセットボタンというわかりやすい作りになっています。側面前のコントローラー用スロットには、オリジナルのコントローラーや8BitDoなどから発売されているスーパーファミコン用のコントローラーがそのまま接続できます。

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本体側面後ろ側には、HDMI出力と電源供給用のUSB端子があります。側面右側にはSDカードスロットがあり、これを利用してファームウェアのバージョンアップが可能です。当初の予定と違い入手した黒バージョンですが、思っていた以上に質感がよくて驚きました。

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ゲーム機を起動後、ファームウェアのバージョンを確認してみたところ、ひとつ前のv4.9であることがわかりました。思いっきり初期バージョンならそのまま比較のために動作チェックを行おうかと思っていましたが、ひとつだけだったため、サクッと最新のv5.0にアップデートしておきました。

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FPGAでスーパーファミコンを再現

この『Super Nt』は、「FPGA」と呼ばれる半導体チップの中でオリジナルのゲーム機にあったハードウェアを再現した互換機です。よくあるエミュレーターベースの互換機とは異なり、元のゲーム機の再現性が高く、HDMIでハイレゾな映像出力ができるというところが特徴です。

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ちなみにスーパーファミコンは発売時期により、オリジナルのものとふたつのビデオチップををひとつにまとめた1Chipと呼ばれるモデルに分かれています。この『Super Nt』は、前者のほうを元に作られているそうです。

ためしに実機と比較してみたところ、1Chip-02ほどの輝度は高くないものの、オリジナルよりは明るめといった感じになっていました。

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▲実機はRad2Xケーブルを使用してキャプチャー。

『Super Nt』でここだけは抑えておきたい設定ポイント

本体の電源を入れると、英国ミュージシャンのスクエアプッシャーが手がけたオープニングサウンドに引き続き、システムメニューが表示されます。この中から、特に注目の設定ポイントをいくつかご紹介していきます。

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▲スクエアプッシャーによるサウンドと共に、次々ロゴマークの絵柄が変化していくオープニング。

トップメニューには、カセットのゲームをプレイする「RUN CARTRIDGE」のほか、ふたつの『スーパータリカン』のゲーム、「SETTINGS」と「TOOLS」の5項目が並んでいます。この中で、本体の設定に関わってくるのが「SETTINGS」です。

フォントの変更

デフォルトのフォントが読みにくく感じるときは、SETTINGS>SYSTEM>MENU OPTIONS>FONTにアクセスして、フォントの変更が行えます。『Mega Sg』のときと同様に、複数のフォントを組み合わせることで、自分好みのパターンを見つけ出しましょう。

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決定ボタンの変更

『Super Nt』では、デフォルトの状態で選択ボタンがY、キャンセルがBボタンになっています。しかし、選択にYボタンを押す習慣を持っている人はあまりいないと思われ、非常に使いにくく感じます。そこで、このボタンを変更しておきましょう。

SETTINGS>SYSTEM>CONTROLS & HOTKEYSにアクセスします。とりあえずキャンセルボタンはBのままにしておき、メニューに表示されているなかから「CONFIRM/SELECT KEY」を選んで、Aボタンにチェックを入れましょう。

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変更した設定状態の保存

このゲーム機は、設定を変えただけでは変更項目を覚えておいてくれません。そのため、必ず保存しておく必要があります。SETTINGS>SAVE/CLEAR SETTINGSにアクセスし、「SAVE SETTINGS」を選んで保存しておきます。

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ゲーム向けの設定項目

ゲームをより快適にプレイするための機能もいくつか用意されているので、ご紹介していきます。まずは定番の走査線の追加から。個人的にはあまり好みではありませんが、昔のブラウン管風の映像を再現するために走査線を追加することができます。

SETTINGS>VIDEO>SCANLINESにアクセスして、「NORMAL SCANLINES」または「HYBRID SCANLINES」を選びましょう。

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ADVANCED MODE:64 SPRITE TILES

SETTINGS>VIDEO>ADVANCED MODEにチェックを入れることで、非表示になっている設定項目が選べるようになります。SETTINGS>VIDEO>EXTRA FEATURESの中にある「64 SPRITE TILES」は、『Super Nt』が1ラインに表示できるスプライトの数を32個から64個に増やすことができます。

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これにより、『ロックマン3』や『スーパーファイヤープロレスリング クイーンズスペシャル』で発生するちらつきが抑えられます。『ロックマン3』のほうはよくわからなかったのですが、『スーパーファイヤープロレスリング クイーンズスペシャル』でバトルロイヤルモードを選ぶと、たしかに表示がおかしくなっていました。

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▲64 SPRITE TILESがOFFだと、キャラクターの表示がおかしい。
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▲64 SPRITE TILESをONにすると、キャラクターが複数並んでも絵が乱れなくなった。

この機能をONにした状態でも画面上部が乱れますが、それでもキャラクターの表示自体はかなりマシになった気がします。

ちなみに、この機能を利用すると『ファイナルファンタジーVI』の序盤で、ティナが帝国の奴隷にされていたことを思い出すシーンで表示がおかしくなるとマニュアルに記載されていました。しかし実際にチェックしてみたところ、とくにおかしな部分は見当たらなかったので、現在は改善されているものと思われます。

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▲『ファイナルファンタジーVI』(海外では『Final Fantasy III』として発売)は、序盤ある程度プレイしたもののとくに画面がおかしくなることはなかった(写真は回想シーン)。

ADVANCED MODE:MODE 5 & 6 INTERLACE DISABLE

『らんま1/2 町内激闘篇』のオープニング画面の大きな文字や、『クロノ・トリガー』のエンディングのひとつなど、インターレースモードを使用している特定のシーケンスでコーミングアーチファクトが発生します。

そこで、SETTINGS>VIDEO>EXTRA FEATURESの中にある「MODE 5 & 6 INTERLACE DISABLE」(モード5および6のインターレース無効化)にチェックを入れることで、これらを解消することができます。『クロノ・トリガー』は最後までプレイしていないためよくわかりませんでしたが、『らんま1/2 町内激闘篇』ではたしかにオープニングに登場するでかい文字のジャギー感がなくなりました。

▲左がMODE 5 & 6 INTERLACE DISABLEがOFFで、右がONの状態。

ADVANCED MODE:PSEUDO-HIRES BLENDING

『ジュラシック・パーク』と『星のカービィ3』のふたつのタイトルでは、疑似ハイレゾグラフィックで透明に見えるようなテクニックが使われていました。しかしこれは、コンポジット出力とブラウン管テレビという組み合わせでしか見ることができず、今では特殊なものとなっています。

デフォルトの状態でSETTINGS>VIDEO>EXTRA FEATURESの中にある「PSEUDO-HIRES BLENDING」にチェックが入っていますが、このオプションは、その疑似ハイレゾグラフィックを現代の液晶ディスプレイでも見えるようにした機能です。

●A better SNES hi-res blend shader? – RetroArch Additions / Shaders – Libretro Forums(疑似ハイレゾブレンドに関する記事)
https://forums.libretro.com/t/a-better-snes-hi-res-blend-shader/1800/26

▲左がPSEUDO-HIRES BLENDINGがOFFで、右がONの状態。
▲PSEUDO-HIRES BLENDINGがOFFだと、ただのラインに見える(左)。

スーパーゲームボーイ2で音が出ない?

スーパーファミコンの周辺機器もそのまま使えるというのが、この『Super Nt』の魅力のひとつです。ということで、早速試してみたのがゲームボーイとゲームボーイカラーのゲームが遊べるようになる『スーパーゲームボーイ2』です。これに、お気に入りの『ポケモンピンボール』をぶっさして起動してみたところ、見事にゲームを遊ぶことができました!

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・・・・・・が、たしかに普通に遊べてはいるものの、なんか音が出てないような? ということで調べてみると、『スーパーゲームボーイ』や『スーパーゲームボーイ2』、マルチカートリッジの『sd2snes』(EverDrive系)を利用するときは、SETTINGS>AUDIOの中にある「CARTRIDGE AUDIO ENABLE」にチェックを入れる必要があることがわかりました。これにより、拡張オーディオが有効になり、ゲームの音も楽しむことができます。

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▲『スーパーゲームボーイ2』で音が出ないときは、この項目をチェックしよう。

ゲームボーイの周辺機器と言えば、「♪やっぱこれだね~」ということで、『ポケットカメラ』も入手してみました。こちらも、まったく問題なく使うことができました。

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▲Analogueのロゴをカメラに映し出してみたところ。これは、イケる・・・・・・!?

もちろん普通のカセットやマルチカートリッジも問題なく利用可能

当たり前の話しですが、普通のゲームカセットやマルチカートリッジの『EverDrive(FXPAK PRO)』も、まったく問題なく利用することができました。

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▲Analogueの製品とEverDriveの相性の良さは、今回も鉄板。

どのAnalogue製品よりも高い満足度が得られた

今回レビュー用にいろいろと本機をいじっていたわけですが、実は触っている最中からひしひしと感じていたのが、これまで『Mega Sg』や『Nt mini Noir』などをAnalogueの製品を触ってきたなかで、「もしかしたら一番良くできているんじゃ?」ということでした。

実際に使っている上でのストレスはまったくなく、かつお手軽に古いスーパーファミコンのゲームをハイレゾな映像で楽しむことができるのは、かなり素晴らしいことだと言えるでしょう。

また、購入前はスーパーファミコンカラーが欲しかったものの、実際に黒モデルを手にして、想像以上にその質感が良かったことにも感動しました。今回はあっという間に売り切れてしまい購入できなかった人も多いと思われますが、常時購入できるような体制を整えてほしいところですね。

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