Homebrewに対応したPlayStation 4(PS4)向けのゲームキューブ/Wiiエミュレーター「Dolphin for PS4」に、新たな実験版となる「Dolphin Lab v50.35」が公開されました。
今回のアップデートでは、Wiiのオンラインプレイを再現する「Wiimmfi」や実績解除機能の「RetroAchievements」に対応したほか、DualShock 4を使ったWiiリモコンのモーション操作も強化されています。
さらに、WiiメニューやMiiチャンネルへの対応、パフォーマンスの改善なども行われており、PS4上でWiiのゲームを楽しむための機能が大幅に拡充されています。
●Dolphin for PS4 GitHub(リリース一覧)
https://github.com/iHaiDeeZ/DolphinPS4/releases
●Dolphin Lab v50.35(実験版)
https://github.com/iHaiDeeZ/DolphinPS4/releases/tag/lab-v50.35
WiimmfiとRetroAchievementsに対応!PS4でWiiのオンラインプレイも
今回のアップデートで注目したいのが、「Wiimmfi」と「RetroAchievements」への対応です。
Wiimmfiは、2014年に終了した任天堂の「ニンテンドーWi-Fiコネクション」に代わって、対応するWiiやニンテンドーDSのゲームでオンラインプレイを楽しめるようにする非公式サービスです。
Dolphin Lab v50.35では、このWiimmfiを利用したWiiゲームのオンラインプレイ機能が追加されています。これにより、対応タイトルであればPS4上からオンライン対戦などを楽しめる可能性があります。ただし、すべてのタイトルで正常に動作することが保証されているわけではありません。
また、レトロゲーム向けの実績システム「RetroAchievements」にも対応しました。アカウントへのログインや実績解除時のポップアップ表示、バッジの表示などが利用できます。
PS4のXMB風インターフェースには実績タブが追加され、ゲームの詳細画面から進行状況を確認できるようになりました。さらに、L3+R3で呼び出すゲーム内メニューには、PS3風の実績一覧も用意されています。
ゲーム開始時にはXbox風の進捗バナーも表示されるなど、実績機能の充実ぶりも特徴です。
なお、これらはPS4本体のトロフィー機能ではなく、RetroAchievements独自の実績システムです。
DualShock 4でWiiリモコンのモーション操作が可能に
もうひとつの大きな変更点が、DualShock 4を利用したWiiリモコンの操作機能です。
今回のバージョンでは、Wiiリモコンの照準を動かす「aim」、振る動作の「swing」、傾きを再現する「tilt」に対応しています。
さらに、「Upright Wii Remote」という縦持ちのWiiリモコンを再現するモードも追加されました。これを利用すると、『マリオカートWii』でDualShock 4を左右に傾け、ハンドルのように操作することができます。
ヌンチャクを接続していない設定では左スティックによる傾き操作も可能で、モーションセンサーを搭載していないコントローラーの場合は、右スティックで照準を操作する仕組みも用意されています。
なお、DualShock 4による一部のモーション操作は従来版でも実装されていましたが、今回の実験版では照準操作や縦持ちモードなどが追加され、より幅広い操作方法に対応しています。
WiiメニューやMiiチャンネルにも対応
今回のアップデートでは、Wiiのシステムメニューにあたる「Wii Menu」と「Mii Channel」にも対応しました。
これらは任天堂から取得したデータを導入する仕組みとなっており、ゲームを直接起動するだけでなく、Wii本体のメニュー環境を再現する機能も用意されています。
また、ゲームプレイ中にL3+R3で呼び出せるメニューには、新たにコントローラー設定ページが追加されました。
そのほか、セーブステートの保存・読み込みに好みのボタンの組み合わせを割り当てられるショートカット機能や、ゲーム一覧でのプレイ時間表示、ゲームオプションからの削除機能なども追加されています。
グラフィック処理が最大15%高速化するなど性能面も改善
機能追加だけでなく、エミュレーターの処理速度についても改善が行われています。
開発者によると、CPU負荷の高い場面ではグラフィックの書き込み処理が最大15%高速化するとのことです。
また、コンパイルされたゲームコード内の短いループ処理が高速化されたほか、ゲームごとにCPU Cullingを無効化できるオプションも追加されています。
ただし、最大15%という数値はグラフィック書き込み処理に関するものであり、ゲーム全体のフレームレートが15%向上するという意味ではありません。実際の動作速度はゲームや実行環境によって異なります。
安定性についても改善が加えられており、クラッシュ時にゲーム一覧へ戻るための処理や、特定の状況でゲーム終了時にクラッシュする問題の修正などが行われています。
通常版とは別アプリとしてインストールされる実験版
今回公開されたDolphin Lab v50.35は、通常版の「Dolphin for PS4」とは異なる実験版です。
GitHub上でも「Pre-release」として公開されており、新機能やCPUの高速化処理など、今後の検証が必要な要素が含まれています。
通常版を置き換えるのではなく、「Dolphin Lab」という別のアプリとしてインストールされるため、両方を共存させることが可能です。一方で、ゲームやセーブデータ、設定については共有する仕組みとなっています。
導入するには、Homebrewを実行できるPS4環境が必要です。配布されている「DolphinLab-v50.35.pkg」を、GoldHENのPackage Installerからインストールします。
なお、実験版という性質上、動作が不安定になったり、ゲームによっては正常に機能しなかったりする可能性もあります。利用する場合は、セーブデータなどをバックアップしておくと安心です。
今回のDolphin Lab v50.35は、単なるエミュレーション速度の改善にとどまらず、オンラインプレイや実績機能、モーション操作など、Wiiならではの遊び方をPS4上で再現する方向へと進化しています。
まだ実験段階ではあるものの、今後これらの機能が通常版にも取り込まれていくのか、引き続き注目したいところです。















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