アップルが規約を改定して以降、App Storeに様々なレトロゲームエミュレーターが登場してきましたが(一部はすぐに消滅)、そこでゲームキューブとWiiエミュレーターのエミュレーターである『Dolphin』の登場を待ち望んでいる人も多いのではないでしょうか? しかし、『Dolphin』のフォークである『DolphiniOS』開発者のOatmealDome氏は、現時点でiPhone向けにリリースすることは不可能だと述べています。
●DolphinがApp Storeに登場しない理由
https://oatmealdome.me/blog/why-dolphin-isnt-coming-to-the-app-store/
OatmealDome氏によると、iPhoneでサポートされない大きな理由がエミュレータの「Just in Time」(以下JIT)コンパイラがサポートされてないためとのこと。ゲームキューブとWiiには、PowerPCベースのCPUが採用されています。アップルのデバイスはAR<ベースのCPUが採用されているため、CPUが理解できるようにPowerPCのコードをARMに変換する必要があり、『Dolphin』の場合はJITを使用して実現します。
しかしながら、アップルのアプリはiOS上でJITコンパイラーを使用することは許可していません。JITコンパイラーなしでも『Dolphin』を動かすこと自体は可能であるものの、パフォーマンスが低く実用的なレベルには達していません。下記に公開されているビデオで、JITありと無しバージョンを比較しても、その重要性がわかります。
上記の動画は、iPhone 15 Pro Maxで実行したものだそうですが、それでもこのようなパフォーマンスの差が生まれてしまうようです。
ちなみに、ストアからは入手できませんが、『DolphiniOS』自体はAltStore経由でダウンロード可能になっています。
●『DolphiniOS』の入手先
https://dolphinios.oatmealdome.me/download
via.Time Extension