今年の8月より発売が開始されたRokidのARグラス『Rokid Max』。同社からは、海外のクラウドファンディングで8000万円以上の資金を調達するといった実績を持つ『Rokid Air』が発売されていますが、それをさらに進化させたのがこちらの『Rokid Max』ということになります。
今回本機をレビュー用に提供していただいたので、基本的な性能や特徴をご紹介しつつも、あえてレトロゲーマー向けに合わせたレビューをお届けしたいと思います!
●『Rokid Max』のアマゾンの販売ページ(価格は6万8800円)
現実世界に大画面を重ねて表示できるARグラス
そもそも「ARグラス」ってなんじゃらほい? という人もいることでしょう。ホントはめっちゃくちゃいろいろと説明したいことがごまんとあるのですが……今回はそれらをバッサリと省略して、出来ることと出来ないこと、得意なことと苦手なことに絞ってご紹介していきたいと思います。
VRは全画面がCGで覆われた映像を楽しむためのデバイスですが、ARは現実世界にCGを融合した技術です、なんとなーくのイメージとして『ドラゴンボール』に出てくるスカウターを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、近からず遠からずといったところです。
さて、こちらの『Rokid Max』ですが、グラス型デバイスの特徴のひとつでもある薄型レンズを採用したことで75グラムという軽量を実現し、6メートルほどの距離で約215インチの巨大ディスプレイを見ているような映像が楽しめるものとなっています。
6メートル先に約215インチといわれましても……と思われるかもしれませんが、映画館でいうと下の画像の○で囲ったあたりで観ているときに近いなという印象でした。実際はもう少しディスプレイの横幅は小さいですが。
そうしたこともあり、試しに映画を流していたのですが、ついついポップコーンとコーラが恋しくなってしまいました(笑)。
『Rokid Max』の同梱物とスペック
『Rokid Max』に同梱されているのは、ARグラス本体のほかレンズカバーにUSB Type-Cケーブル、交換用ノーズパッドとマニュアル、そして専用のケースといったところです。USBケーブルはたくさん持っていたので最初こちらに付属しているものは使っていなかったのですが……実は結構重要なアイテムであることがのちほどわかりました。
本体カラー | スペースブルー |
重量 | 75グラム |
サイズ | 長さ約174mm×横約158mm×高さ約45mm |
解像度 | フルHD(1920×1080P)、120Hz |
画面コントラスト | 100000:1 |
視野角 | 50°(16:10) |
輝度 | 600nits |
2D/3D機能 | 対応 |
色域 | sRGB 106%(area ratio) |
オーディオ | 内蔵HD指向性スピーカー、内蔵ノイズキャンセリングマイク |
センサー | 9軸IMUセンサー 3DoF |
ピント調節機能が付いてるので裸眼でも楽しめる!
普段メガネをかけている人で、1度でもVRゴーグルなどを掛けたことある人なら分かると思いますが、こうした目を覆い隠すデバイスたちは非常にメガネとの相性が悪いです! VRゴーグルを掛けて楽しむアミューズメント施設では、若干メガネがずれてしまっても何も言うことができず、「あっ、大丈夫です……」とナナメになってしまったメガネをごまかしながら体験することになった人もいるのではないでしょうか。
そうしたトラウマがある人も、安心してください! 履いてます! じゃなくて、裸眼でもある程度楽しめるのがこの『Rokid Max』の特徴のひとつとなっています!
「ARグラス」の上部左右にダイヤルが付いています。実はこちら、0.00D ~ -6.00Dの範囲でピント調整を行うためのものです。これを回してピントが合うポイントを見つけてかければ、メガネ無しでも大迫力の映像をグラス越しに楽しめるようになるってわけですね!
『Rokid Max』の右テンプル下側には、ボリュームボタンを輝度調整のボタンが付いています。後ほど触れますが、この輝度調整ボタンを長押しすることで「3Dモード」に切り替えることもできます。動画などの映像コンテンツでVR対応を謳っているものがある場合などに活用することができます。
このテンプル部分には、映画館並みの高音質を実現したドライバーが内蔵されており、他にヘッドフォンなどを用意する必要もなく、映像と共に音も楽しめるようになっています。さすがに大音量の迫力的なものはないものの、立体的な音響にも対応しており、十分過ぎるレベルといっても過言ではありません。
ちなみに、この『Rokid Max』自体には、『Meta Quest』のように単体でコンテンツを動かすような機能はなく、基本的にはディスプレイの代わりに「ARグラス」で映像を表示させるためのデバイスと考えて間違いありません。
その映像は、テンプルの左端にあるUSB Type-Cのポートに映像ソースを繋げて利用することになります。おそらく電源などもそちらを利用しており、『Rokid Max』の本体側に充電などはいりません。
このUSB Type-Cのケーブルですが、いつもデバイスに付属しているケーブル類はあまり使わないという癖が付いており、手持ちのものを利用していたのですが、ケーブル自体が固く取り回しが非常に悪く感じていました。そこで柔らかそうなケーブルを購入してみたモノの、映像が映らず。
そこで付属のケーブルがあったことを思い出したら、かなり使い勝手が良かったというドタバタ劇がありました。ま、そりゃこのデバイス用に作られているケーブルだから、当たり前ですよね(笑)。
様々な映像配信サービスが楽しめるストリーミングデバイス『Rokid Station』も発売
先ほども触れたように、『Rokid Max』単体ではコンテンツを楽しむことができないため、様々な映像配信サービスが利用出来るストリーミングデバイスの『Rokid Station』も別途販売されています。こちらの価格は、2万1990円(税込)です。
この『Rokid Station』は、世界で初めてGoogleの認定を受けたARグラス用のポータブルAndroid TVデバイスです。これ自体がコントローラーの代わりにもなるほか、5000mAhのバッテリーを搭載しており、待機状態で最大7日間、連続使用で5時間使うことができます。つまり、外出先や移動先などで『Rokid Max』を掛けながら、映画などのコンテンツが楽しめるというわけですね!
あらかじめいくつかの配信サービスが入っているほか、ストアから追加することもできます。ただし、残念ながらNetflixには対応していないようで、ストアでもアプリを見つけることができませんでした。これは現時点でNetflix認証を取得していないことが原因ですが、現在はそのための準備を進めている状態で、今後のアップデートで対応される予定になっています。
ちなみに、こうした映像コンテンツの出力はHDCP(コピープロテクト)の信号で出力されますが、『Rokid Max』ではHDCPにも対応しているところがポイントのひとつとなっています。
「ARグラス」の得意とするところと苦手なところ
ちょっと話が横道それますが、「ARグラス」最大のメリットのひとつが、シースルー型のデバイスであるということです。「VRゴーグル」は全面CGの映像を見るためシースルー機能が付いていないデバイスでは基本的にゴーグルをかけているときに周りの状況がわかりません。
しかし、「ARグラス」や「MRグラス」は現実世界にCGの映像を掛け合わせて表示する技術であるため、ある程度現実世界も見られるようになっています。
というと、なんだかいいことばかりのような気もしますが……なんでも光りがあれば闇もあり。先ほど『ドラゴンボール』のスカウターのようなものと表現しましたが、実は「ARグラス」や「MRグラス」の多くは、強い日差しの下では全く映像が見られない場合がほとんどです。また、たとえ直射日光の下で無くても、部屋の中にはディスプレイなど様々な光りを出すモノがあり、こうした「ARグラス」で映像を見るときに、若干気になってしまうことがあります。
でもご安心ください! この『Rokid Max』では、幸いなことにレンズカバーが付属しており、そちらを取り付けることで、あえて周りの余計な映像をシャットアウトすることができます。これならば、例え屋外であったとしても映像を見ることが可能です。
……ということで、そろそろお気づきの人もいるかもしれませんが
ここまでが長ーい前置きでした!
ってことで、さっそくゲームに関する話題移りましょう。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をVRモードで遊びたい人にもおすすめ!?
最新ゲームだけではなく、「Nintendo Switch Online」と呼ばれるサブスクサービスを利用することでファミコンやスーパーファミコン、ゲームボーイ、ゲームボーイアドバンス、NINTENDO64、メガドライブといったレトロゲームも遊べるようになるNintendo Switch 。
『Rokid Max』では、そのNintendo Switch を遊べるようにするためのオプションアクセサリーとして『Rokid Hub』というアイテムが用意されています。こちらを利用することで、ドックに接続することなくNintendo Switch をドックモードで起動することができるほか、映像を『Rokid Max』で見ることができるようになります。
●『Rokid Hub』のアマゾンの販売ページ(価格は6049円)
ちなみに『Rokid Hub』自体はNintendo Switch 専用のデバイスというわけではなく、Android端末でも使用することができます。……ということは、AndroidでNetflixを再生すれば使えるかも? と思い、先日入手したばかりのタブレット『ALLDOCUBE iPlay50 mini Pro』を接続してみたのですが、こちらは相性が悪いのか残念ながら利用することはできませんでした(DP Altに対応していないのが理由)。
もうひとつ、Nintendo Switch で利用するときの注意点として、そのままの状態ではコントローラーは使えないということです。Joy-Conをグリップに付けて利用するか、Nintendo Switch Proコントローラーなどを利用する必要があります。また、これまた注意点のひとつですが、『Rokid Hub』が利用出来るのはあくまでも通常のNintendo Switch のみで、ドックモードが使えないNintendo Switch Liteでは利用することができません。
先ほど本体の輝度ボタンを押すことで「3Dモード」にできるというお話をしました。しかし、意外とVR系の映像は見当たらず今回は利用することはないかな? と思っていたのですが……ここでふと思い出したのが、そういえばNintendo SwitchってVRなかったっけ!? ということでした。
Nintendo Switchでは、『Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit』の発売に合わせていくつかのタイトルがVRモードに対応しています。といってもその数はかなり限られており、ざっと上げてみると『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、BOTW)、『マリオカート8 デラックス』、『スーパーマリオ オデッセイ』といった感じです。
同じゼルダであっても、最新作の『ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム』にはこのVRモードは導入されていませんでした。残念!
実際に『BOTW』でVRモードに切り替えてみたところ、映像がかなーり横長な感じに見えるようになります。また、通常のゲームの画面分割同様にコンテンツ自体の解像度の下げられているのか、遠くにキャラクターがいるときは若干ドット絵感が出るような印象でした。
もうひとつ、通常のVRゴーグルを掛けて使用するコンテンツと大きく違うところは、この世界に入り込むといった没入感は残念ながら無いところです。どちらかというと、ニンテンドー3DSの3Dモードを見ている時のような感覚に近いモノと思えばいいでしょう。
とはいえ、通常とは異なる体験ができるのはなかなか面白いので、一見の価値はありです!
はたしてレトロゲームは問題なく遊べるのか?
というわけで、最後の最後でタイトル回収になるわけですが、レトロゲームを主体にしたサイトということもあり、単にガジェットとして「ARグラス」を紹介しても、おもしろくもなんともありません。
そこで今回は、こちらの『Rokid Max』がテレビやディスプレイの代わりとして、レトロゲームを遊ぶための環境としても利用出来るのかチェックしてみました。
今回試したのは、Analogueのスーパーファミコン互換機『Super Nt』を使用した動作チェックです。映像などもそうですが、操作性でラグを感じるようではあまり意味がありません。そうした部分も含めて確かめています。
ちなみに、『Rokid Max』で通常のHDMIからの映像を入力するためには、別途『HDMI to USB-C アダプター』と呼ばれるモノを入手する必要があります。しかし、残念ながら本機を提供していただく時点では在庫切れということで、アマゾンで『HDMI to Type-C 変換 アダプター』というアイテムを購入して試してみました。
●『HDMI to Type-C 変換 アダプター』のアマゾンのページ(価格は4499円)
結論としては、特にラグを感じることもなく映像も鮮明に見えるため、ガチで使えるといったか感じです! そもそも『Rokid Max』自体がかなり発色がいいので、特に夜自宅で椅子に座りながらゲームをプレイするのに最適といっても過言ではありません。
また、耳元からゲームのサウンドが流れるため、回りにも迷惑がかからず、まさに自分だけの世界に没入してゲームを楽しむことができます。
チャンネル権を奪われ、ゲームも遊びたいときに遊べないレトロゲーマーにとっても、まさに救世主のアイテムが登場したといっても過言ではないでしょう。少しでも気になる人は、ぜひこちらの製品をチェックしてみててください。
●『Rokid Max』のアマゾンの販売ページ(価格は6万8800円)