Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

毎年10月17日は、Analogue社が大きな発表を行う「アナログデイ」とも呼ばれていますが、今から3年前の2020年10月17日に発表されたのがFPGAベースのPCエンジン互換機『Analogue Duo』です。その後、世界中がコロナ渦に突入したこともあってか、まったく音沙汰なし。ところが、2023年5月18日に唐突に発表があり、5月20日の深夜から発売が開始されました。

この発売開始にあたり、サイトのほうの情報もいくつかアップデートされていました。そこでこちらの記事では、現時点で分かっている『Analogue Duo』でできることとできないことの情報をまとめてみたいと思います。

●Analogue Duo公式サイト
https://www.analogue.co/duo

●Analogue Duoサポートページ
https://www.analogue.co/support/duo

『Analogue Duo』の基礎知識

『Analogue Duo』は、他のAnalogue製品同様に、エミュレーターではなくFPGA(Altera Cyclone V)と呼ばれるチップ上にオリジナルのハードで使われていた回路を再現しているところが最大の特徴です。これにより、ラグ無しでPCエンジンのゲームを高画質の映像で楽しむことができます。

これまでひとつでもAnalogueの製品を買ったことがある人なら概ね想像が付きますが、製品音品質はその他の互換機の中でトップクラスです。道具としてかなり役立ってくれることはもちろんのこと、コレクターズアイテムとしても持っておきたくなるような魅力を持っています。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

ハードウェア的な特徴としては、HDMIは1080p/720p/480pといった3種類の映像出力が可能。別売りの『Analogue DAC』にも対応しており、アナログディスプレイに出力した場合は、そちらを利用することで実現可能です。

オーディオは48KHz16ビットサウンドで、HDMI経由のデジタルオーディオ出力に対応。それ以外にもヘッドフォンジャックも搭載しています。

同じ『DUO』という名前が付けられていますが、PCエンジンDuoとは異なり、CD-ROMの出し入れはフロントローディング方式が採用されています。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

『Analogue Duo』の気になるポイント

①カラーバリエーションはUSAとJPNの2色。どちらもリージョンフリー

本体のカラーバリエーションは2色用意されています。それぞれ黒がUSAと白がJPNバージョンとなっていますが、どちらも各国で発売されたソフトが遊べるリージョンフリーになっており、あくまでも見た目の色の違いだけです。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた
▲カラーバリエーションは2色で、黒がUSAバージョンで白がJPNバージョン。

②『Analogue Duo』で動かせるゲームの種類

『Analogue Duo』が対応しているゲームは、PCエンジン(日本)、TurboGrafx-16(北米)、PCエンジンスーパーグラフィックス(日本)、SuperGrafx(欧米)、CD-ROM2(日本)、TurboGrafx-CD(欧米)といったハード向けのソフトに加えて、アーケードカード専用CD-ROMや記載はありませんがおそらくSUPER CD-ROM2にも対応していると思われます。

そのため、公式でPCエンジン系で発売されたほとんどのソフトが対応していると思って間違いないでしょう(バグで動かないゲームなどは除く)。余談ですが、日本ではHuCARDと呼ばれるゲームのROMカートリッジですが、海外ではTurboChipという呼び方になっています。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

③CD-ROM2系のソフトを遊ぶのに「システムカード」は必要?

ここで気になるのは、CD-ROM2系のソフトを動かすのに「システムカード」は用意する必要があるのか? ということでしょう。公式のサポートによると、『Analogue Duo』ではすべてのゲームに対応しており、特別なHuCARDやTurboChipは不要と書かれています。

つまり、「システムカード」を用意する必要なく、ゲームをそのまま遊ぶことができるということになりそうです。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

④使えるコントローラーの種類と必要なものは?

『Analogue Duo』では、Bluetoothと2.4gのワイヤレスコントローラーに対応しているほか、オリジナルのコントローラーをそのまま接続できるポートに加えて、USBでも接続可能となっています。つまり、現在持っているコントローラーの様々な資産をそのまま流用することができです。

ちなみにワイヤレス接続をするときは、レシーバーなどを用意することなく、本体に内蔵された通信機能を利用して接続できるようになっています。ただし、ワイヤレス接続の場合は最大4人までしかサポートされていません。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

⑤『ポピュラス』など出っ張りのあるゲームは遊べる?

PCエンジンでは、『ポピュラス』など一部のゲームで出っ張りがあるタイトルがいくつかあります。それらは本体にささらないのでは? という疑問が生まれましたが、現在掲載されている資料を元にサイズをチェックしてみたところ概ね問題なく利用できそうな感じに見えます。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

こちらは実際に実機で試してみる必要がありますが、スロットの形的にもオリジナルのROMカートリッジについては考慮されているようです。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた
▲『Analogue Duo』のスロットでは、出っ張りの部分も考慮された作りになっています。

⑥『EverDrive』が使えるかは形状的に微妙

ほとんどのPCエンジンのソフトが遊べるものの、スロットの形状的にそのままではささらないと思われるのが『EverDrive』です。でっぱりのあるPCエンジンのゲームはその形状に合わせたスロットの形になっていますが、『EverDrive』はシェルが付けられているものがあり、ちょうど出っ張りが当たってしまいます。

これを外せば使えるようですが……ものによっては、それも難しいかもしれません。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた
▲右はstoneagegamer.comで購入した、オリジナルのシェル付き『Turbo EverDrive』。出っ張りの形状が、左の『ポピュラス』とは異なっています。
Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた
▲厚みも結構違いがあります。
Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた
▲ネジ穴のようなものはあるものの……両面同じような穴になっています。

⑦Analogu OSでできること

『Analogue Duo』では、『Analogue Pocket』以来初となるAnalogue OSが採用されたゲーム機になります。こちらで出来ることとしては、走査線(スキャンライン)の表示、スケーラーオプション、水平位置の調整、横方向のストレッチ、縦位置ストレッチなどです。

おそらくそれ以外にもセーブデータの管理やスクリーンショットなども使えるようになるのではないかと思われますが、この辺りは今後の続報を待つ必要があります。

⑧openFPGAには非対応

Analogue OSに対応しているということは、『Analogue Pocket』のようにFPGAで様々なゲームが遊べるようになるopenFPGAにも対応しているのでは? と思われそうですが、残念ながら公式に非対応であることが発表されています。

『Analogue Pocket』の場合、元々FPGAのチップをふたつ搭載しているなど開発者に向けてオープンな環境になることが想定されていましたが、おそらくそれよりも設計が古いのか『Analogue Duo』では対応出来なかったみたいですね。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

⑨『Analogue Duo』のパッケージに同梱されているものは?

『Analogue Duo』のパッケージには、本体のほかHDMIケーブル、USBケーブル、USBのパワーサプライとシンプルな構成になっています。

Analogue Duoに関する様々な疑問を10個のポイントでチェックしてみた

⑩1台注文するといくらぐらいになるの?

『Analogue Duo』は、本体価格は249.99USD。それに加えて送料が79.99USDの合計329.98USDほどになります。日本円になおすと、だいたい4万5000円ぐらいといったところでしょうか。

ABOUT US
アバター画像
高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。