【レトロゲームコラム】「昔のゲームは面白かった」という話の中には「体験の差」も含まれている

【レトロゲームコラム】「昔のゲームは面白かった」という話の中には「体験の差」も含まれている

先月辺りに話題になった、自分の子供に昔のゲームを遊ばせてみたらつまらなそうにしてた的な話は、ちょくちょく耳にします。あるいは似たようなことで、「昔のゲームは面白かった」的な話をして、若者から老害と陰口を言われるようなこともあるかもしれません。

とくに、リアルタイムで様々なゲームを体験してきた人にとっては、「何でこんな素晴らしいゲームの良さがわかってもらえないんだろう?」と感じている人も多いのではないでしょうか。

かくいう筆者も、幸か不幸かほぼリアルタイムでビデオゲームの歴史を体験することができました。小学生の頃に『スペース・インベーダー』登場し、近所にインベーダーハウスができたときは、物珍しげにその中に入り魅惑的なゲームにドキドキしたものです。

その後、『ギャラクシアン』をはじめとするナムコの一連の作品や、多数のアーケードゲームが登場。家庭用ゲーム機としては『テーブルテニス』的なゲーム機は買ってもらえなかったものの、『ゲーム&ウオッチ』やLSIゲームは多数持っていた記憶があります。

ちなみにファミコンを手に入れたのは高校生の頃で、発売当初はほぼ世間的に認知されていない存在でしたが、急激に人気が高まりどこに行ってもなかなか本体が手に入らないというような状況 でした。

その後、たまたま『ポートピア連続殺人事件』と交換で借りた『ドラゴンクエスト』にどハマり。こんな面白ゲームがこの世にあったのか! と驚愕したことを覚えています。また、『テトリス』や『シムシティ』、『ポピュラス』など、それまでまったくなかったタイプのゲームも続々と登場し、その都度驚かされたり感心させられたりしました。

現在のゲームは、こうした革新的なゲームのDNAや、試行錯誤の末作り上げられた土台の上で作られている場合が多く、基本的にどのゲームを遊んでもかなり良くできていると思わせるものばかりです。その上で、どこが優れているのかという勝負になっているため、そもそも昔のゲームと比較すること自体が無理があるのかもしれません。

もちろん、時代を超えて愛され続けている作品も多く、十把一絡げで語ることはできません。

そうした反面で、たとえば昔あんなにどハマりした『スペース・インベーダー』をアレンジしたタイトルなどが出てきたときに、ちょっと遊んでみて今風のデザインやサウンド、演出などは素晴らしいと感じるものの、ゲームとしてはそれほどハマれないことがあります。

これは、そのゲームが「体験」として新しく感じないことが理由なのではないかと、筆者は考えています。

新しもの好きもの人類は常に新しい体験を求めている?

ライアル・ワトソン氏が1994年に出版した書籍に『ネオフィリア―新しもの好きの生態学』という本があります。こちらは、人類が進化したのは人間存在の本質がネオフィリア(新しもの好き)であるからという仮説の元の書かれたものですが、たしかに似たようなものでも新しいもののほうが惹かれる人は多いでしょう。

例えばこのサイトの記事も、ランキング入りしているような一部の記事を除けば、内容の密度はともかく古い記事よりも新しい記事のほうが読まれる傾向にあります。また、ほぼ毎月のように似たようなスペックの携帯ゲーム機が発売されていますが、やはりこちらも古いものよりは新しいものに惹かれることが多いでしょう。

そこには、単に新しいものに興味が引かれるということに加えて、これまでになかったものが体験出来るのではないかという期待も含まれているのかもしれません。

先ほどご紹介してきたゲームの体験はかなり強烈です。なにせ、それまで同じようなものはまったく存在せず、それが自分自身、または人類に取っても新しい体験であったからです。

少し大げさな言い方をすると、石器時代、青銅器時代、鉄器時代と進化を遂げてきた人類ですが、その時代の狭間の変革と似たような体験をしてきたのかもしれません。

……と、話を大きく膨らませすぎたところで元に戻すと、昔のゲームは一部を除いてたしかに今遊んでも面白いものはあるものの、それを当時を知らない世代に語るときは自分の体験を差し引いて、純粋なゲーム性を今の作品たちと比較しながら語らなければいけないのかな? と思っています。

ゲームの体験については、時代や年齢の差、あるいは住んでいる地域など様々な環境の違いによって大きく異なるかもしれません。いずれにせよ、素晴らしい体験をさせてもらった数多くのゲームたちには、これからも敬意を払っていきたいところですね!


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